はじめに
以前、メンターから「人生には大きな決断が3つある」と言われたことがあります。
1つは、大学の進路を決める時、2つ目は就職先を決める時、3つ目は結婚を決める時です。
これらの決断は、人生においての大きな岐路に立っていることには間違いがないですが「適切なアドバイスをしてくれる人が周りにいない!」と感じている人も少なくありません。
適切な情報が少ないと、少ない情報の中で間違った判断をすることにもなりかねません。
アドバイスの中で、どのアドバイスが正しくて、どのアドバイスが間違っていたのかは、残念ながら後になって気づくことも少なくありません。
もしかすると、万人に当てはまるアドバイスは、世の中にはないかもしれません。
ここでお話しするのは、自分が歯科医師として成長していくためには、どういう視点で勤務先を選ぶのかということをアドバイスさせていただきます。
目次
1、自分と一番近い立場のDrと話をする
求人するということは、歯科医師に入社してほしいという思いで求人していますので、経営者はHPでも面接でもいいことを言うのが普通です。
求職者は、クリニックの実際の姿を知りたいわけですから、トップのコメントよりも実際に働いているスタッフの感想を聞きたいはずです。
「いい歯医者」とは、トップが言うものではなく、勤務している人たちの感想であるべきです。働いている人が、「働きやすい環境」だと思っているか、「充実している」と感じているかを聞くことで、自分が入社してからのイメージができるのではないかと思います。
2、歯科医師とコデンタルスタッフの関係を観察する(クリニックの雰囲気を感じとる)
多くの歯科医院のアピールとして「人間関係は良好です」「優しい先輩方ばかりです」など、人間関係が良いことをアピールしている文章が大半です。
殆どの人にとって、職場を決める際の最も大切な要素が「人間関係が良い」ことである以上、「人間関係は普通です」とか書いた時点で、まず面接に来てもらえなくなります。
そこで、とにかく面接だけでも来てもらおうと、どのクリニックも「人間関係は最高です」ということをアピールします。
私の知っている院長が怒鳴り散らす人間関係が最悪の歯科医院も、求人票では「人間関係は最高です!」と書かれていたのには呆れてしまいました。
求職者もそういう言葉だけのアピールに騙されないように、社員の方々がどういう雰囲気で仕事をされているかを注意深く見極める必要があると思います。
自分が患者として病院に行った時に、なんとなく雰囲気のいい病院を感じることがあるのではないかと思います。
自分が就職した時に、人間関係のいい職場、質問しやすい職場、ピリピリしていない職場を望むのであれば、今働いているスタッフの言動を注意深く観察してみて下さい。
スタッフと院長やDrと他のスタッフの関係に和やかさやいい雰囲気でコミュニケーションをとっているかを観察することで、自分が就職した際のイメージがわいてくるかと思います。
普段のスタッフ間の関係を隠すことは不可能です。人間関係の良くない医院では、スタッフ間の会話も少ないでしょうし、ピリピリした雰囲気を醸し出している医院もあります。
飲食店でもそうですが、なんとなく居心地のいい空間と居心地の悪い空間というのは、察することはそう難しくないような気がします。
3、自分の譲れない条件を確認する
そうはいっても、全てが整っている職場を見つけることは難しいかもしれません。
大きいクリニックには大きいクリニックの良さがありますし、小さいクリニックには小さいクリニックの良さがあると思います。
自分の中で「これだけは譲れない!!」というものをはっきりさせておくことが、迷った時に決断させてくれるヒト押しになると思います。
「人間関係の良さ」「給料」「教育システム」「矯正をしている」etc……いろんな要素から優先順位を決めておくことが決断する時には大切になってきます。
☆仕事について真剣に考えている方のための動画
☆まとめ
いかがでしたでしょうか?
歯科医師にとって、初めての就職はその人にとっての歯科医師人生を決めかねない大切な分岐点になりますので、結婚式でよく言われるように、「結婚前は両眼を見開きよく観察し、結婚後は片眼をつむって妥協するべきは妥協して仲良くやっていってください」といわれることは就職にも当てはまるような気がします。
慎重に判断することはとても大切ですが、最終的には結婚も同じですが、その人の直感に任せることになると思います。
直感とヤマ勘の違いは、決断するまでにどれだけ論理的に考えつくしたかの違いです。
十分準備をして見るべき点、聞くべき点は、しっかり確認して、最後は自分を信じて直感に任せて前に進んでください。